関西医科大学 呼吸器腫瘍内科学講座

Department of Thoracic Oncology
Kansai Medical University

KURATA TAKAYASU

倉田 宝保さん

主任教授

professor

呼吸器腫瘍内科の設立経緯について教えてください。

「日本初の二段階カリキュラム。がん専門医として横断的な知識を身につけるために。」

当科は2022年41日に設立した日本初の診療科です。呼吸器専門医を育成する科でありながら、腫瘍内科専門医の資格も習得できるプログラムを用意しています。

このような科を立ち上げた背景には、がんゲノム医療の発達があります。2005年頃からがんの発生原因を遺伝子レベルで特定する研究が始まり、2019年からゲノム医療が本格スタートしました。その結果、抗がん剤の種類が多様化し、外科知識だけでは対応できない状況が生まれています。そこで立ち上がったのが〝臨床腫瘍科〟という新しい領域です。がん薬物療法のプロとして、臓器にとらわれない横断的な知識を身につけるための、がん専門医育成コースを作りました。呼吸器専門医を目指しながら腫瘍内科医も目指せる、まさしく内科医の〝二刀流〟を目指すコースです。

呼吸器腫瘍に特化した理由を教えてください。

「進歩が目覚ましい肺がん診療。新鋭医療をスピーディーに地域に届ける。」

呼吸器疾患は喘息から肺結核、アレルギー、肺がんまで幅広く、それを全般的に学べるのが当科の特徴です。呼吸器全般の診療を担い、呼吸器専門医としての土台ができあがった上で肺がんの診療を行います。実は、がんを臓器別にみたときに罹患者数も死亡者数もトップレベルで多いのが肺がん。とにかく患者の「数」が多い病気なのです。

肺がんに対する診療は近年、大きく進歩しています。外科技術の向上、放射線治療の進歩、薬剤の開発、緩和ケアの充実など、治療そのものの幅が広がっているのです。このように非常に進歩の早い肺がん治療を、適切に地域に提供することを目指して呼吸器腫瘍内科は立ち上がりました。スタッフ全員が熱心に研究に取り組んでいますので、新鋭の医療を学びたい人、新しい治療法を開発したい人には理想的な環境です。

どのような人材を求めていますか?

「成長し合える同志とともに、臨床と研究でトップレベルの診療科を目指す。」

ひとことで言うと性格のいい人ですね。協調型というか。医師という仕事は当然ながら患者と一対一で向き合う仕事ですが、それだけではありません。ともに切磋琢磨し、情報交換し合い、高め合っていく。それが相乗効果となって、医療の進歩ひいては地域医療への貢献に繋がっていくと考えています。まして呼吸器腫瘍に特化した診療科は当科が日本初です。これから歴史を作っていく科であり、その一員になってほしいと思っています。臨床と研究の両方でトップレベルのチームになるのが目標です。そしていずれはグローバルに通ずる診療所にしていきたい。その思いに共感し、共に高みを目指していける人に、ぜひ当科の門を叩いてほしいと思います!

呼吸器腫瘍内科の未来を担う
皆さまへ

一人一人に最善の治療を届ける

Delivering the best
treatment to each patient