関西医科大学 呼吸器腫瘍内科学講座

Department of Thoracic Oncology
Kansai Medical University

研修プログラムの目的

当科の研修では、肺がんを中心とした胸部腫瘍および希少がん、一部の良性呼吸器疾患を担当します。

がん診療における診断や個別化医療の実践のための積極的な生検検査を行っており、さらに、がん薬物療法を中心とした集学的治療から緩和ケアに至るまで、幅広い診療に取り組み、腫瘍内科専門医(がん薬物療法専門医)レベルでの研修が可能です。
診療を通じて、インフォームドコンセントやShared decision makingの重要性を学び、コミュニケーション能力の向上も目指します。

また、臨床研究や開発治験にも従事可能であり、研修の段階から研究に携わることもできます。
将来の内科専門医・呼吸器内科専門医・がん薬物療法専門医の獲得を目指し、内科一般・呼吸器疾患とともに腫瘍学の基礎から専門医レベルの知識を習得し、また緊急時に対応できるように手技の習得を目指し、挿管や中心静脈カテーテルの留置や胸腔ドレーン留置などの処置を習得することを目指します。
尚、当科のスタッフ5名(2024年度)が「がん薬物療法専門医」を取得しており、腫瘍内科学・臨床腫瘍学について手厚い指導を受けることができます。

研修プログラムの目的

肺がん、胸腺上皮性腫瘍、悪性胸膜中皮腫を中心としたすべての胸部悪性腫瘍を対象に
呼吸器外科、放射線科、病理診断科、緩和ケア科の先生方と協力して診療を行っています。
画像検査やCTガイド下生検や気管支鏡検査による胸部腫瘍の診断、手術症例に対する周術期化学療法、
局所進行症例に対する化学放射線療法、さらに進行期症例に対する化学療法や緩和治療を行っています。
COPDなどの呼吸器疾患の合併患者も多く、呼吸器全般の診療も行います。
また、がんゲノム診療についても附属病院がんセンターと協力し、行っております。

  • 外来新患者数

    914人/年

  • 入院院患者数

    703人/年

  • 気管支鏡(件数)

    276人/年

  • 胸腔ドレーン挿入
    (件数(他科含む))

    70人/年

  • 化学療法患者数

    423人/年

大学附属病院での研修について

レジデント1年目では、病棟診療を中心に研修を行います。
主担当医として、肺がんなどの胸部悪性腫瘍の入院患者さんの診療を行い、がん診療を学びます。また、初診から診断、治療導入までのプロセスを習得するため、外来新患の問診や検査計画の立案から実行までを指導医のもとで学びます。

2年目では、病棟診療を継続しつつ、自身の外来枠(1コマ)を担当し、外来診療も行います。
1年目の経験を活かし、より実践的で主体的ながん診療の研鑽を積むことができます。
さらに、気管支鏡検査は週2回実施しており、1回あたり5件ほど行います。主に専攻医が術者として検査を担当するため、多くの検査経験を積むことが可能です。
その他、胸腔穿刺や胸腔ドレーン留置術などの機会も豊富にあり、呼吸器内科医として必要な手技を習得できます。

毎週のカンファレンスでは、新規入院患者などを中心に議論が行われます。
方針決定に困った際には、1人で抱え込まず、経験豊富な上級医と相談することができます。
また、大阪国際がんセンターとの共同抄読会が月に1回開催されており、最新のトピックに触れることで良い刺激を受け、学びが深まります。
定期的にリサーチミーティングも開催されており、研究指導が充実しています。自身が担当する研究をブラッシュアップし、日本肺癌学会などの学術集会で発表を行い、最終的には希望に応じて論文化を目指します。

関西医科大学 呼吸器腫瘍内科学講座 大学附属病院研修時のスケジュール
時間 (月) (火) (水) (木) (金)
午前

外来新患診察

病棟業務*1

教授回診

病棟業務*1

院外研鑽

外来診療

病棟業務*1

午後

病棟業務*1

気管支鏡検査

呼吸器合同
カンファレンス
(腫瘍内科・感染症科・外科)

病棟カンファレンス

新患カンファレンス

医局会

気管支鏡検査

骨転移
カンファレンス*2

その他

病棟業務*1

大阪国際がんセンター
共同WEB抄読会*2

リサーチ
カンファレンス*2

放射線科
キャンサーボード*3

病理カンファレンス*3

*1 病棟業務の他に⾃⼰学習や臨床研究などを含む 月に1-2回当直あり  *2 月1回  *3 不定期

呼吸器腫瘍内科学講座のキャリアパス

まずは、内科専門医の取得を目指します。
その後のキャリアパスには、主に3つの方向性があります。

  • 呼吸器内科専門医や
    がん薬物療法専門医などの
    サブスペシャリティの取得

    より自身の専門性を高め、
    質の高い診療の実践を目指します。

  • 大学院進学による
    基礎研究

    最新の研究や知見を学び、
    独自の研究テーマに取り組み、
    研究者としての基盤を作ります。

  • 専門病院への
    国内留学

    がんセンターなどで高度専門病院で
    研修し、より専門的な診療技術の
    習得を目指します。

これらのキャリアパスは、個々の興味や目標に応じて柔軟に組み合わせ、キャリア構築を行います。
自身の将来像に合わせた最適なプランを支援します。

呼吸器腫瘍内科の未来を担う
皆さまへ

一人一人に最善の治療を届ける

Delivering the best
treatment to each patient